農薬って、発達障害の原因になるのですか?

はい。農薬は発達障害を引き起こす環境的原因の一つです。

解説

農薬といっても様々な種類も物があります。有機リン酸系やネオニコチノイド系の農薬やグリホサートなどの除草剤などがあります。有機リン酸系の農薬に関しては、ASDの発生リスクが上がる疫学的調査報告があります。またネオニコチノイド系農薬は、その作用機序から神経系の機能を低下させる可能性がありますので、発達障害を引き起こす可能性があります。グリホサートに関しては、コーンや大豆の栽培に関してグリホサートの使用量の増加と、ASDの増加の割合に相関関係が認められています。グリホサートは直接的に人体に影響は少ないかもしれませんが、グリホサートが混入している食べ物や水を取ることで腸内環境が悪化する可能性があり、これが発達障害へととつながっているかと思います。

 British Medical Journal(イギリス医師会雑誌)という信頼性の高い医学雑誌に、2019年4月に発表されて医学論文に、カリフォルニアで行われた疫学研究の結果が発表されていました、妊娠中に農薬を暴露すると出産した子供が自閉スペクトラム症になる可能性が上昇するというもので、この研究論文の中での農薬の中にはグリホサートも含まれています。

 いずれにしろ、妊婦さんや小さいお子さんはできるだけ農薬を避けるのをお勧めします。

ちなみにグリホサートはグリホサート耐性の遺伝子組み替え食品(小麦、大豆、コーン)などの栽培に使われる除草剤ですので、出どころが不明な小麦や大豆、コーンなどは避けたほうが良いです。(グリホサート自体は、作物をよく洗っても除去できないので避けるしか方法がありません。)それと花壇などでの除草剤として使われる事がありますので、除草剤を使うときはグリホサートを使っていないものを使用して下さい。

このグリホサートの汚染の有無は、GPL社が提供する検査で調べる事ができます。

(ただ、この検査だけでは、意味はありません。専門家の指導のもとで総合的に必要な生化学的検査をする事をお勧めします。)

論文(原文を読む)

von Ehrenstein OS et al. Prenatal and infant exposure to ambient pesticides and autism spectrum disorder in children: population based case-control study. BMJ. 2019 Mar 20;364:l962. doi: 10.1136/bmj.l962.

 

生化学的検査:尿中有機酸検査、尿中ペプチド検査、毛髪ミネラル検査、血液検査、その他

生化学的治療:食事療法、栄養療法、腸内環境整備、キレーション療法等

 

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しかし、新たな医療上の発見や診断分類の策定などによって、情報が古くなることもあります。そのため必ずしも正確性を保証するものではありません。

また、患者さん個人により状況は千差万別であり、安全性を保証するものではありません。

注意事項

発達障害の治療に関しての様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端や食事療法や薬剤の使用等などもあります。現在、当院で行っている生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントの調整や、環境調整やSST、PT等も含めた生活全体に対しての包括的な指導を行うことで、その治療効果を得ています。ですから、生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示に従ってください。

自己流での治療や、インターネットサイトなどの医療関係者以外が提供する治療を行った場合は効果がないばかりか逆に有害事象が発生する危険性もありますので注意が必要です。また、お子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。

治療研究や外来対応が多忙を極め、現在個別でのメッセンジャー等での質問対応は行っておりませんのでご了承ください。ただ今後、みなさまに有益な情報をお伝えしていく予定です。メルマガも平成31年3月から開始しておりこちらにも、情報提供を行っておりますのでどうぞよろしくお願いします。

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参考文献

1)柏崎良子、発達障害の治療の試み、株式会社ヨーゼフ2014

2)柏崎良子、栄養医学ガイドブック、学研、2008

3)柏崎良子、低血糖症と精神疾患治療の手引き、イーグレープ2007

4) 大森隆史、発達障害を治す、幻冬社、2014

5)ジェリー・マシューズ.発達障害の子供が変る食事.青春出版社2012

6)William Shaw.Biological Treatments for Autism & PDD. GPL 2008

7) von Ehrenstein OS et al. Prenatal and infant exposure to ambient pesticides and autism spectrum disorder in children: population based case-control study. BMJ. 2019 Mar 20;364:l962. doi: 10.1136/bmj.l962.

8)藤原武男,高松育子. 自閉症の環境要因. 保健医療科学 2010 Vol.59 No.4 p.330 -337.