発達障害のお子さんはなぜ寝ないのか?その2(腸内環境悪化編)

発達障害のお子さんは何故寝ないのか?の続きです。睡眠は、「体内時計機構」と「恒常性維持機構」によって調整されています。全身の様々な機能を使って睡眠はコントロールされているのです。ですから、これらの機能の働きが崩れると簡単に睡眠障害が発生します。

この睡眠障害が発生する原因として腸内環境の悪化があります。腸内細菌叢は、細胞の時計遺伝子の発現に影響を与えており、体内時計機構の調整を行なっています。ですから逆に、腸内細菌叢のバランスが崩れて腸内環境が悪化すると体内時計機構の調整能力も低下します。入眠を司るメラトニンのもととなるセロトニンも腸で作られるため腸内環境の悪化からメラトニン不足となり体内時計機構の働きが低下します。

また、腸内環境は体の中の代謝をコントロールや血糖値の安定化や消化吸収能力の調節等、様々な体の中を一定に保つ働き「恒常性維持機構」があります。この機能の働きも腸内環境が悪化します。

ですから、腸内環境が悪化することによって睡眠を維持する「体内時計機構」と「恒常性維持機構」の両方が崩れてしまうために睡眠障害が起こると考えられます。

参考文献

Microorganisms.2019Jan31;7(2).pii:E41.doi:10.3390/microorganisms7020041.Potential Role for the Gut Microbiota in Modulating Host Circadian Rhythms and Metabolic Health.

入江 潤一郎*,伊藤 裕. 睡眠と腸内細菌叢: 腸内細菌学雑誌 31 : 143-150,2017

参考サイト

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(精神保健研究所・精神生理部)

http://labo.sleepmed.jp

厚生労働省 e-ヘルスネット 眠りのメカニズム

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html