発達障害の原因は、わかっていないのですか?

発達障害の原因は分かってきています。(発達障害は多因子遺伝疾患です。)

以前、発達障害は生まれつきの障害であり原因は不明であると言われていましたが世界的に発達障害が研究されるようになり、その原因が分かってきました。

発達障害が発生する仕組みについてご説明します。発達障害は、高血圧や2型糖尿病と同じように多因子遺伝疾患と言われています。他院遺伝子カントは複数の遺伝子因子と外的な影響である複数の環境的因子が複雑に絡みあって発生するのです。高血圧や糖尿病はこれら病気に関連した複数の遺伝子を持つ人が、過食は運動不足などの生活習慣によって、発生することがあります。

ですから同じ環境にいても、そもそも遺伝的因子を持っていなければ発達障害は発生しませんし、逆に遺伝的因子を持っていても環境的因子に出会わなければ発達障害は発生しない可能性が高いのです。

発達障害関連の一例として、ドーパミンの遺伝子多型と環境因子についての報告があります。お腹の中の赤ちゃんがドーパミン神経の遺伝子多型を持ち、同時に妊婦さんにタバコを吸う習慣があった場合に、生まれてくる赤ちゃんにADHDが発生するリスクが高くなるという報告があります。このように、遺伝的因子と、環境的因子が複雑に絡みあって発達障害は発生するのです。

 

参考文献

  1. 平岩幹男:発達障害 子どもを診る医師に知っておいてほしいこと、金原出版株式会社、2019
  2. 東京小児療育病院 医療スタッフ: 発達障害の理解と治療・支援. 東京、東京小児療育病院、2015
  3. 州鎌盛一: 乳幼児の発達障害診療マニュアル 健診の診かた・発達の促しかた、医学書院、2013
  4. 黒木春郎: プライマリケアで診る発達障害、中外医学社、2016
  5. 平岩幹男編: データで読み解く発達障害、中山書店、2016
  6. Neuman RJ et al: Prenatal smoking exposure and dopaminergic genotypes interact to cause a server ADHD subtype. Bill Psychiatry 61: 13201328, 2007
  7. Kubota T, Mochizuki K, Epigenetic Effect of Environmental Factors on Autism Spectrum Disorders. Int J Environ Res Public Health. 2016 May 14;13(5). pii: E504. doi: 10.3390/ijerph13050504. Review.

 

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注意事項

発達障害の治療に関しての様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端や食事療法や薬剤の使用等などもあります。現在、発達支援外来で行っている生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントの調整や、生活全体に対しての包括的な指導を行うことで、その治療効果を得ています。ですから、生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示に従ってください。

自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は効果がないばかりか逆に有害事象が発生する危険性もありますので注意が必要です。また、ご自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。