院長コラム 174: 2023 7 12#環境調整と孟母(もうぼ)三遷(さんせん)の教
#環境調整と孟母(もうぼ)三遷(さんせん)の教
7月に入り、外来でもこの新年度の1学期の総括的な話を聞くことが増えてきました。
新年度に転校したり、支援級に変えたりと色々と環境調整を行なったことがどのようにお子さんに影響したのかというのを外来で確認します。
新しい環境にどハマりして、今まであった困りごとなどが全く消えて自信がついたお子さんもいますし、逆に新しい環境に馴染めず困りごとが増えてしまうお子さんもいます。
そのようなお話を聞くと、やはり個々のお子さんにとって最適な環境調整を行うことの重要性を再認識します。
そして、中国故事の孟母(もうぼ)三遷(さんせん)の教という言葉を思い出します。
これは、中国の学問の儒教で有名な孟子のお母さんの話です。
最初、孟子親子は、お墓のそばに住んでいたそうです。そしたら孟子が葬式の真似ばかりするようになったので、次に市場の近くに引っ越したそうです、そうしたら孟子は商人の駆け引きの真似ばかりするようになったので、今度は学校のそばに引っ越したら礼儀作法を真似るようになったので、お母さんはここが教育に最適な場所だとして定住したというお話です。
このお話か得られる教訓は3つだと思います。
- 環境調整ははとても大切
- 子供にあった環境調整はトライアンドエラーしかない
- 子供の趣味嗜好にあった環境調整を
1環境調整はとても大事
子供は、周囲の影響を受けやすいです。
本人にとって居心地の良い環境にいれば、のびのびと楽しく自分の持ち味を活かせます。
逆に居心地の悪い環境にいれば、本人の持ち味を活かせずに困り事が増えていきます。
大人と違いよりダイレクトに環境の影響を受けることを覚えておいてください。
2子供にあった環境調整はトライアンドエラーしかない
もちろん、さまざまな研究から有効な環境調整の手法は確立されています。
しかし、お子さんの発達度合いや脳の特性によって、ジャストな環境調整は本当に個人的なものになります、そのため環境調整には試行錯誤を繰り返すしかありません。一発で正解を認めずに気楽にやり続けることが大切です。
3子供の趣味嗜好にあった環境調整を
孟子が本当に学問好きだったかは、大昔のことなのでわかりませんが、本人の趣味嗜好にあった環境調整がとても大切だと思います。だから逆に、彼がビジネスが好きなら市場にいればすごいビジネスマンになっていたかも知れません。ですから、お子さんの趣味嗜好を見ながら環境調整を行なっていく必要があります。
発達とともに趣味嗜好は変わっていくことも多いので、そこは臨機応変に対応して行ってください。
こんなことを先日の外来終了後につらつらと考えていました。
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様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。
現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。