院長コラム 29 2022 7 21 #一人で電車やバスに乗れるようになり行動範囲が広がったL君の話
#一人で電車やバスに乗れるようになり行動範囲が広がったL君の話
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L君が私の外来を受診されたのは彼が9歳の時でした。
診断はついておりませんが、知的な面での遅れがあり小学校の支援学級に通学していました。ご家族が、将来的に入学させたい学校があり、その学校に入学条件に一人で電車、バス等の公共交通機関を使用して登下校できるという事があり、生活自立度の向上と知的能力の向上のための生化学的治療目的のため自分の外来を受診されました。
初診時の印象としては、
同学年の男子よりも体格が大きくしっかりした体つきをしていました。しかし、体格とは違い全体的に幼い印象があり、細かいニュアンスを伝えるコミュニケーションが苦手でした。しかし、とても優しい子で、気は優しくて力持ちという言葉がぴったり合う様な男の子でした。
初診の時に、ご家族に食事などの生活に関しての指導と治療を開始しました。
検査を結果が出るまでは、マルチビタミンミネラルサプリメンによる栄養療法と整腸剤による腸内環境整備を開始しました。
L君の初診時の困り事
言葉でのコミュニケーションが苦手
生活自立度が低さ
学習の遅れ
生化学的検査として、
尿中有機酸検査
尿ペプチド検査
毛髪ミネラル検査
上記三つの検査を行いました。
検査結果から下記の様なことがわかりました。
生化学的問題点(2018年1月)
腸内環境悪化
栄養不足
解毒機能低下
リーキーガット症候群(乳)
有害重金属蓄積
機能性低血糖症疑い
これらの問題点に対して
食事療法(捕食指導、大型回遊魚摂取禁止、GFCF食)
栄養療法(適宜,栄養素調節)
腸内環境整備(整腸剤他)
キレーション療法(サプリメント使用)
生活環境改善:生活指導
上記の様な治療を開始しました。
受診時より他の療育施設にも通っておりましたが、2018年7月「児童発達支援・放課後等デイサービス キッズプレイスたかなわだい」での療育も開始しました。
当施設での学習内容の進行度合いを通学している小学校への報告し、学習内容の変更をお願いしたり、当施設と家とのバスでの往復トレーニングをご家族の協力のもと行いました。
10歳の段階で、バスを問題なく利用できるようになりました。
Lくんは中学生の支援学級に通っており、当初行こうと考えていた学校とは違いますが、地下鉄などの公共交通機関を使用して学校へ通っており学校生活を楽しんでいます。また、当施設での学習等のフォローアップも継続的に行っております。
生化学的治療だけでなく、療育や実際の生活上トレーニングが重要だと感じだ一例でした。
発達障害の内科的治療の手引
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本の紹介動画です。ご興味あればご覧ください。
https://youtu.be/3NTsFLiNdS4
引用・転載禁止のお願い
統合的発達支援システム; Integrative Development Support System: gyousei IDeSS(アイデス)の章は全て引用・転載を禁止致します。
治療法に関しては、まだ議論中のものもあり、無用意な引用・転載に伴い文章の意図が変わる可能性があるので引用・転載は禁止といたします。
またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。
注意事項 免責事項
様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。
現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。