院長コラム 43 2022 9 6#体調不良から不登校になっていたSくんの話
#体調不良から不登校になっていたSくんの話
男性 13歳
主訴
不登校
全身倦怠感
目眩
眠気
診断
不登校(別室登校中)
起立性調節性障害
ASD(グレー)疑い
現病歴
小学校の時から、風邪などをひくと体調が回復しにく中学入学後に起立性調節障害を併発して、不登校となりその後、別室登校を週2回行っている。他院でA S D疑いとも言われていた。ご家族で、サプリメント等を使用していたが当院での治療を希望されて来院
既往歴
耳管開放症
アレルギー性鼻炎+
喘息-
けいれん-
内服
なし
身体所見:特記事項はなし
発達
身体的 発達には問題なし
言語的 会話可能(言語系の発達も問題なし)
社会的 通常の会話やコミュニケーションには大きな問題は認めず
運動 協調運動障害は認めず、以前空手を行っていたが体調不良のためできず
他院での心理発達検査(WAIS)では特記事項は認めず
生化学的検査(尿中有機酸検査、毛髪ミネラル検査)施行し下記のような生化学的問題点が見つかり、それらに対してサプリメント治療をEfficacyやSelf Estameを高めることを目的とした面談を継続
学習面に対しては、理論物理学などを好み、解説が理解できれば納得して学習するタイプの児童であるため体調の維持と並行して、個別学習などの補修の必要性をご家族に指導
生化学的問題点
#1腸内環境悪化
#2エネルギー代謝異常
#3神経伝達物質不均衡
#4栄養不足(ビタミン B12、C、NAC)
#5メチレーション機能低下
#6有害重金属蓄積(水銀)
使用サプリメント:下記栄養素を体調、体重により適宜調節
マルチビタミンミネラル
酪酸菌
EAP &DHA
ビタミンB群
ビタミンC+αリポ酸
5-HTP
食事療法としては、
マグロや鰹等の大型回遊魚の除去
可能な限り小麦や乳製品を除去
タンパク質中心とした捕食指導等
治療経過
治療開始し3−4ヶ月経過したところで、体調が回復してきて起立性調節障害からの朝起きれない状態から離脱し、別室登校であるが連日登校が可能となる。ただ、長時間の登校には、体調的にまだ耐えられないため時短登校となる。
治療開始後6ヶ月経過し、体調不良から完全に離脱、空手の練習にも積極的に通えるようになる。学習面に関しては、個別塾に今後通いフォロー予定
状態が安定しており、遠方であるため継続した通院が困難であるため、必要時に再診として終診となる。
考察
今回の症例は、ASD疑いと起立性調節障害が併発したことからの不登校であったと考える。体調を整えることと、面談や学校や家での環境調整を行うことで心理的安全性の向上を図って行ったことが、彼の自律性向上を促し不登校からの離脱が図れたと考える。
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引用・転載禁止のお願い
統合的発達支援システム; Integrative Development Support System: gyousei IDeSS(アイデス)の章は全て引用・転載を禁止致します。
治療法に関しては、まだ議論中のものもあり、無用意な引用・転載に伴い文章の意図が変わる可能性があるので引用・転載は禁止といたします。
またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。
注意事項 免責事項
様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。
現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。