院長コラム
院長コラム 14 2022 6 11#診療日誌 00002: 行動範囲が広がったL君の話(2022.06.11更新) アイデス・クリニックでの診療日誌です。 備忘録として、まだ症例の提示として記載しています。 プライバシー保護の観点から、名称や年齢、性別や受診日等が現実と変えていますが、 治療内容や検査データなどは実際のものを提示する予定です。 行動範囲が広がったL君 先日の外来で中学生のL君が半年ぶり定期受診に来院されました。 半年ぶりと言っても毎週併設施設の「キッズプレイスたかなわだい」で会っているので大まかな状況の事はわかっていますが、今回は、ご家族からご家庭の状況の確認と今後の就学等の将来的なことへのご家族の要望等の確認のための外来です。 今でこそL君は、自分でバスや電車などを使って都内を自由に動けるようになっていますが、私の外来をきた小学生当時はまだ生活の自立度もひくい状態でした。 他院での、はっきりした診断はついていませんが知的な面での発達の遅れや言葉でのコミュニケーションが苦手なところがあり支援学級に通学中でした。 L君のご家族は、生活自立度の向上と知的能力の向上を希望されて当院を受診することになりました。彼が小学校4年の頃です。 L君初診時の困り事としては 言葉でのコミュニケーションが苦手 生活自立度が低い 公共交通機関を一人で使えない 学習の遅れ 診断: 広汎性発達障害 境界型知的障害疑い 既往 アレルギーなし 喘息― その他特記すべき疾患なし 内服:なし 当院での介入 彼の困り事を改善するために 生化学的治療を用いて、身体と脳神経系の機能向上を開始しました。 療育的介入:キッズプレイスたかなわだいにおいて、学習フォローも含める。 学力の向上に応じて、通学している学校へも学習指導内容の変更も要請 生化学的治療 来院時検査(尿中有機酸検査、尿ペプチド検査、毛髪ミネラル検査等)から下記のような生化学的問題点が見つかりそれたいして、サプリメント等を使用した生化学的治療を開始しました。 生化学的問題点(2018年1月) 腸内環境悪化 栄養不足 解毒機能低下 リーキーガット症候群(乳) 有害重金属蓄積 機能性低血糖症疑い 治療経過 外来で経過を見ながら、サプリメントの調整を行いました。 ほかの療育施設にも通っておりましたが、2018年7月「児童発達支援・放課後等デイサービス キッズプレイスたかなわだい」での療育も開始しました。当施設での学習内容の進行度合いを通学している小学校への報告し学習内容の変更をお願いしたり、当施設と家とのバスを使い往復したりするようなトレーニングを行いました。その結果、現在では公共交通機関を使って自由に都内を移動できるようになりました。学習に関しても、教科によっては普通学級の児童に混ざって授業を受けるところまで向上して来ています。 その後、中学校は支援学級に通学しておりますが学校生活を楽しんでおり当施設での学習のフォローアップも継続的に行っております。 考察 今回のL君の場合、栄養療法をはじめとした生化学療法と同時に療育での学習、トレーニング、また学校との連携により生活自立度や学力の向上が行えたと考えます。 どれか一つだけというよりは、彼をとります状況を全て利用しすることに意義があると思われます。 結語 発達障害へは統合的にサポートを行う必要があり、各機関や家族と緊密に連絡を取り合いながら、発達を支えていくことがとても重要です。 マリヤ・クリニックの柏崎先生と共著で本を出しました。 発達障害の内科的治療の手引 https://www.amazon.co.jp/dp/4904198085/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_7M952RHMGGS133RM2F4Q 本の紹介動画です。よければチャンネル登録をお願いします。 https://youtu.be/3NTsFLiNdS4 併設施設の児童発達支援・放課後等デイサービス キッズプレイスたかなわだいで提供しているおやつのレシピ動画です。こちらもよければチャンネル登録をお願いします。 https://youtu.be/MAHY4_0QfN0 引用・転載禁止のお願い 統合的発達支援システム; Integrative Development Support System: gyousei IDeSS(アイデス)の章は全て引用・転載を禁止致します。 治療法に関しては、まだ議論中のものもあり、無用意な引用・転載に伴い文章の意図が変わる可能性があるので引用・転載は禁止といたします。 またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。 注意事項 免責事項 様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。 現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。