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院長コラム 100  2023 1 9 当院のキレーション療法への見解

[2023.01.09]

#当院のキレーション療法への見解

 

当院で行っている発達障害への生化学的治療の一つにキレーション療法があります。

これは、体内に蓄積している有害重金属をキレート作用のあるサプリメントや薬剤を使用して体外への排泄を促す治療法です。

 

キレーション療法は、約60年程度の歴史があり主に鉛などの急性中毒や動脈硬化性疾患に対して使用されています。NIHが予算を出して行ったTACT Studyという研究では、キレーション療法は心筋梗塞の再発率を低下させる可能性があるという報告されており現在TACT2 Studyが行われています。

 

一方、発達障害に対してのキレーション療法に関してはネガティブな意見も多くまだ検討中です。しかし、鉛の蓄積と知能指数の低下や水俣病のような有機水銀が脳の発達に働きに悪影響を当てるという疫学的な研究結果からキレーション療法の治療効果は期待されます。

 

ただ、発達障害は多因子遺伝疾患であるため、発達障害に有害重金属の影響が関連していない症例もあると考えられ、これが発達障害へのキレーション療法の効果判定の研究を困難にしている一因です。

 

ですから全ての発達障害へキレーション療法が効くというわけではないことをご理解ください。キレーション療法の適応の有無を見極めながら治療を行う必要があり、このためにはキレーション療法への専門的トレーニングを受けた医師の監督のもとで治療を行う必要があると当院では考えております。

 

ですから、発達障害に対する生化学的治療は必ず専門家の監督のもとで行うようにして下さい。

 

脳と心と体の整え方#021 発達障害へのキレーション療法

 

それではまた次回

 

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発達障害の内科的治療の手引

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本の紹介動画です。ご興味あればご覧ください。

 

引用・転載禁止のお願い

統合的発達支援システム; Integrative Development Support System: gyousei IDeSS(アイデス)の章は全て引用・転載を禁止致します。

治療法に関しては、まだ議論中のものもあり、無用意な引用・転載に伴い文章の意図が変わる可能性があるので引用・転載は禁止といたします。

またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。

 

注意事項 免責事項

様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。

現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。

 

 

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