院長コラム 27 2022 7 14 #言葉の遅れと引っ込み事案で友達の輪に入れなかったRくんの話
#言葉の遅れや引っ込み事案で友達の輪に入れなかったRくんの話
Rくんが私の外来を受診されたのは彼が5歳の時でした。
言葉の遅れとコミュニケーションの苦手さからくる、幼稚園との友人たちと遊べなかったり集団行動の苦手さなどの困りごとがあり幼稚園と並行して療育を受けていました。
発達をさらに促すために、生化学的治療を希望されて来院されました。
初診時の印象としては、
身体的発達は問題はありませんでしたか、
とても恥ずかしがり屋の印象と言葉の発達にやや遅れが見られました。
診断としては、軽度のASDの可能性が高いと考えられました。
初診の時に、お母さんに食事などの生活に関しての指導と食事療法と栄養療法を開始しました。
検査を結果が出るまでは、マルチビタミンミネラルサプリメンによる栄養療法と整腸剤による腸内環境整備を開始しました。
生化学的検査として、
尿中有機酸検査
尿ペプチド検査
毛髪ミネラル検査
上記三つの検査を行いました。
検査結果から下記の様なことがわかりました。
生化学的問題点
腸内環境悪化
エネルギー代謝不全
神経伝達物質不均衡
葉酸代謝異常
栄養不足
有害重金属蓄積(水銀他)
これらの問題点に対して
食事療法(捕食指導、大型回遊魚摂取禁止等)
栄養療法(適宜,栄養素調節)
腸内環境整備(整腸剤他)
キレーション療法(サプリメント使用)
生活環境改善:生活指導
上記の様な治療を療育と並行して治療を継続し、治療開始後1ヶ月目ごろから言語の発達とコミュニケーション能力の向上が見られ幼稚園の友人たちとも遊べる様になりました。
その後、小学校の普通級に入学しました。普通級でも問題なく小学校生活を送れています。
治療と継続して「児童発達支援・放課後等デイサービス キッズプレイスたかなわだい」での療育を継続しました。
8歳の時点でRくんは、小学校生活を級友たちと楽しんでいます。
現在も定期的に外来で、経過を見ています。
食事療法の動画:ご興味あればご覧ください。
発達障害の内科的治療の手引
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本の紹介動画です。ご興味あればご覧ください。
引用・転載禁止のお願い
統合的発達支援システム; Integrative Development Support System: gyousei IDeSS(アイデス)の章は全て引用・転載を禁止致します。
治療法に関しては、まだ議論中のものもあり、無用意な引用・転載に伴い文章の意図が変わる可能性があるので引用・転載は禁止といたします。
またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。
注意事項 免責事項
様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。
現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。