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院長コラム 52 2022 9 30#治療の効果はいつ頃からか?

[2022.09.30]

#治療の効果はいつ頃からか?

先日の外来での話です。
当院を通院し始めて4ヶ月ほど経過している4歳の男の子が来院されました。
彼は、他院で自閉スペクトラム症: ASDと診断されており言葉の発達の遅れも影響していると思いますが友人とのコミュニケーションを撮るのが苦手なお子さんでした。

当院での検査(尿中有機酸検査、毛髪ミネラル検査等)に基づき生化学的治療(食事療法や栄養療法などを中心に)を開始されました。お母さんは、こちらのアドバイスに従い、しっかりと食事療法を行い、サプリメントを根気強くお子さんに飲ませてくださいました。

本格的に治療を開始されてから、最初の2ヶ月間はあまり変化はなかったですが、3ヶ月目の中旬を過ぎたあたりから急激に言葉の発達とコミュニケーション能力が伸びてきて保育園のお友達と手をつないだり、集団行動が取れる様になってきました。ベースにASDがありますので、日常的なSST等は必要ですが集団で行動することで、その子は日々多くのことを学んでいる様です。

お母さんからその子の状況を確認や、その子の診察を行っていた時に初診時のお母さんからの質問を思い出しました。
「治療効果って、どのくらいしたら見えてくるのですか?」
その質問に私は、「個人差がありますが、効果が出るのは2-3ヶ月程度からです。」
と答えています。(これはいつも同じ回答です)

なぜなら、食事療法や栄養療法厳密に治療をできているという事が前提ですが、
治療の段階として
①脳へのダメージの進行を止める
②脳のダメージから回復させる
③脳がダメージを受けないようにして脳の発達を促す
この様に3段階のステップが必要ですので、どうしても治療には時間がかかります。
その後も脳がダメージを受けない様にして発達を促すことが非常に大切です。
ここら辺のことは以前動画でもお伝えしておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
「発達障害への栄養療法はすぐに効くのか?」

ですから、まずは最初の3ヶ月間、治療に専念することをお勧めしています。そして、効果が出た場合は、継続的に治療をすることでさらに発達することが期待されます。
まずは3ヶ月治療継続してください。

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発達障害の内科的治療の手引
https://www.amazon.co.jp/dp/4904198085/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_CKY9ZZ4RDQPZ5M1TMQWZ
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本の紹介動画です。

 

引用・転載禁止のお願い
統合的発達支援システム; Integrative Development Support System: gyousei IDeSS(アイデス)の章は全て引用・転載を禁止致します。
治療法に関しては、まだ議論中のものもあり、無用意な引用・転載に伴い文章の意図が変わる可能性があるので引用・転載は禁止といたします。
またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。

注意事項 免責事項
様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。
現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。

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