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#診療日誌 0001:大学に合格したR君の話

[2022.04.03]

#診療日誌 0001:大学に合格したR君の話

 

アイデス・クリニックでの診療日誌です。

備忘録として、まだ症例の提示として記載しています。

プライバシー保護の観点から、名称や年齢、性別や受診日等が現実と変えていますが、  

治療内容や検査データなどは実際のものを提示する予定です。

 

大学に合格したR君の話

 

先日の外来でR君が3ヶ月後の定期受診に来院されました。

この日は、彼の大学受験の合否を聞く予定です。

ドキドキしながら彼との問診中に

R君から、「大学に合格しました」

報告が聞けて、安心することができました。

この時期の特有のことですが、受験のシーズンでは合否の報告を聞くのはとても緊張します。

当面のゴール設定をクリアして、現在の困りごとは改善しておりますが、

もうしばらく外来で経過を見る予定です。

 

現病歴

R君の18歳の男性で、一昨年から当院外来の通院を開始しています。

彼は、コミュニケーションの苦手さや生活自立動作の遅さで困っている高校生です。

今後の大学受験や将来の進路等を含めた相談目的に当院の外来を受診されています。

 

困り事

コミュニケーションが苦手

生活自立動作が遅い

勉強に身が入らない

 

診断:

A S D(グレーゾーン)疑い

既往

アレルギーなし

喘息―

その他特記すべき疾患なし

 

内服:なし

当院での介入

彼の困り事を改善するために

コーチング的技法を用いたゴール設定

生化学的治療を用いて、身体と脳神経系の機能向上を開始しました。

 

心理行動療法的介入(コーチング的介入)

当面のゴール設定として、特定の学部のある大学入学を希望とのことでしたが、

初診時から約半年間は毎月受診してもらい、彼が本当に希望する学部や将来的な構想の構築を試みて、

彼の希望する学部や大学の設定を行いました。

 

生化学的治療

来院時検査(尿中有機酸検査、毛髪ミネラル検査等)から下記のような生化学的問題点が見つかり

その問題点へのサプリメント等を使用した生化学的治療を開始しました。

 

生化学的問題点(2020 9月)

腸内環境悪化

神経伝達物質不均衡

栄養不足

有害重金属蓄積

(水銀、すず)

治療経過

外来で経過を見ながら、サプリメントの調整やコーチング的介入を行いながらゴール設定の強化とEfficacyの向上を行いました。外来経過中に当初は疲れやすかった体調が改善してきて、平行して学習にも集中できるようになりました。

また、当初考えていた志望学部から本人が希望する志望学部へ変更しその学校へ受験することとなり、入試の準備に取り組むようになりました。

今春から志望校に入学予定です。コミュニケーションの苦手さも改善しつつあり生活自立度も向上しています。

考察

今回のR君の場合、当初のゴール設定が本人の本来の希望とミスマッチしていたことも問題点の一つであったと考えます。彼の趣味嗜好とは違った学部への受験を予定していたため、学習に集中できないなかったと考えられます。

 

またさまざまな生化学的問題点より、身体や脳の働きが低下していたのでこちらへの介入も非常効果があったと考えられます。

 

結語

心理行動的介入(コーチング的介入)と生化学的介入がうまく噛み合った一例であり、

どちらの介入も重要だと感じた一例でした。

 

引用・転載禁止のお願い

統合的発達支援システム; Integrative Development Support System: gyousei IDeSS(アイデス)の章は全て引用・転載を禁止致します。

治療法に関しては、まだ議論中のものもあり、無用意な引用・転載に伴い文章の意図が変わる可能性があるので引用・転載は禁止といたします。

またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。

 

注意事項 免責事項

様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。

現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。

 

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