メニュー

発達障害

発達障害とは?

発達障害とは、脳の発達や働きの偏りから発生する行動やコミュニケーションなどに問題が起こる障害のことを言います。最近では、この障害を米国精神医学会が作成したDSM-5で使用されている神経発達症いう言葉で表される事が増えてきましたが、まだ日本国内では発達障害という用語が一般的ですので、本ホームページでは、発達障害という用語で統一しています。

発達障害を具体的に表すと、2-3歳ごろまでに見られる言葉の遅れや、ジャンプができななどの体の使い方が苦手だったり、特定の音や匂いが苦手だったり、周りの友達と遊べな買ったり、特定の強いこだわりのために癇癪を起こしたり、衝動性のためにじっと座っていられなかったり、順番を待てなかったりなどの症状があります。また小学生になった時に、計算や読書などの特定の分野の学習が苦手なことがあります。

上記のような症状がお子さんにあり、かかりつけ医や相談機関を訪問される親御さんが多いです。

発達障害をどんな時に疑うか?

発達障害は、脳の発達や働きの偏りから発生します。そのため比較的発達の早期(乳幼児期)に様々な症状がみられる事があり、早期に発見し適切な対応する必要があります。

まずはご家庭でお子さんに発達障害の可能性があるかどうかを判断する必要があり、その判断に使える方法をご紹介します。

その方法とは、ESSENCE-Qという質問紙法です。スエーデン・ヨーテボリス大学のクリストファー・ギルバーグ博士が2009年に提唱したESSENCE(神経発達障害のある子どもたちの早期(幼少時期)の状態を表す包括的名称)で、この状態を見つけ出すのがESSENCE-Qという質問紙法です。

ただ、ESSENCE-Qだけだと、一般の方には分かりにくため高知ギルバーグ療育が出しているリーフレットをもとにESSENCEに対してのチェックリストを作りました。このチェックリストに当てはまり、2-3か月様子をみて改善がないようなら医療機関もしくは相談機関に相談されることをお勧めします。

解説動画です。ご視聴ください。

ESSNCEチェックリスト

  • 同年齢の子より幼く感じる
  • 歩き始めがゆっくり
  • 言葉が少ない
  • 同年齢の子供と遊ばない
  • 指差しをしない
  • 体の動かし方がぎこちない
  • 抱っこした時に反り返る
  • 視線が合いにくい
  • 泣き始めるとなかなか泣き止まない
  • 大きな音、光などの刺激が苦手
  • なかなか寝てくれない
  • 落ち着きがない

発達障害の割合

平成18年度の厚労省が行なった調査「軽度発達障害児童に対する気づきと支援マニュアル」から軽度発達障害児童の発生頻度は8-9%程度と報告されています。また、杉山らが発達障害の発生頻度に関する最近の報告をまとめたものによると、知的障害:ID 1%、自閉スペクトタム症: ASD 2%、注意欠如・多動性障害: ADHD 3-5%、限局性学習障害: LD 5%などであり、それぞれの障害は合併の可能性がありますが、単純に計算すると児童の10%以上が発達障害を持っているという報告されています。つまり児童の10人に1人が発達障害を持っている可能性があるということです。

小中学校の1クラスに2-3人は発達障害の児童がいことになります。すでに、発達障害は、珍しい障害ではなく、私たちにとって身近な病気の一つになっているのです。

発達障害の分類(代表的な発達障害)

米国精神医学会が作ったDSM-5分類の神経発達症の7つの下位分類が今後国内で優勢になると思われますが、ここでは東京小児療育病院で使っている分類を改訂して使用します。

知的障害:ID、自閉スペクトラム症: ASD、注意欠陥多動性障害: ADHD、特異的学習障害: SLDとこの4つの分類を抑えておけば問題はないと思います。またこれらの障害は、合併して起きることもあります。

ですから、知的障害と自閉症スペクトラム症の合併や自閉スペクトラム症とA D H Dの合併することがあります。

発達障害の分類

知的障害(Intellectual Disabilities: ID)

自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)

注意欠如多動性障害(Attention-deficit hyperactivity disorder: ADHD)

特異的学習障害(Specific Learning Disability: SLD)

出典:東京小児療育病院、医療スタッフ:発達障害の理解と治療・支援より改訂

発達障害を診断するには?

残念ながら、現時点では発達障害を診断確定する画像検査や血液検査なその検査は、まだありません。基本的にそれぞれの診断基準に当てはめて診断していきます。

現時点では、頭部MRI検査や血液検査などは発達障害に随伴する病気を見つけることが所目的になっていますが、現在fMRI(機能性MRI)検査などの脳内のネットワークを調べる検査の研究が進んでいますので、今後は発達障害の診断を確定する検査が開発されることが期待されています。

診断基準については、発達障害の分類によって違いますので別項目で説明する予定です。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME