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知的障害:ID

知的障害/知的能力障害群(Intellectual Disabilities: ID)

知的な発達の遅れがある障害です。言葉が出るのが遅いことで医療機関などに相談される事が多く、発達の早期(2-3歳)で発見されることが多いです。しかし、ある程度の知的能力がある場合(グレーゾーン:境界型知的障害)のお子さんの場合は、大人しい子供、受け身な子供という印象で就学前健康診断でも見落とされる事があり、小学校の中学年になってから発見されることもあります。

診断については、田中ビネー知能検査Ⅴなどが重要視されており、知能指数:IQが70以下を知的障害としていました。しかし、DSM-5ではこの知的障害は知的能力障害群という呼び名が使われるようになり、IQよりも日常生活などでの評価が優先されるようになりました。その結果、知的障害の重症度も、IQよりも日常生活などの臨床的評価をもとに行われるのが世界的な主流になりつつあります。

しかし、国内ではIQによっての診断や重症度判定が一般的です。これは、小学校入学時の就学の判定や支援の判定基準にIQが入っているため仕方のないことかもしれません。今後、もっとよりきめ細やかに知的な能力の状態の把握と支援が行われることを願います。

日本語版DSM-5におけるID診断基準

  • 臨床的評価及び個別化・標準化された知能検査によって確かめられる。物理的思考、問題解決計画、抽象的思考、判断、学校での学習、及び経験からの学習なd、知的機能の欠陥
  • 個人の自立や社会的責任において発達的及び社会分化的な水準を満たすことができなくなるという適応機能の欠如、継続的な支援がなければ、適応上の欠陥は、家庭、学校、職場、及び地域といった多岐にわたる環境においてコミュニケーション、社会参加、及び自立した生活という複数の日常生活における機能を限定する
  • 知的及び抵抗の結果は、発達期の間に発症する

日本精神医学会監修:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き. 医学書院. 2014 p17-22を
改変して引用

参考文献

日本精神医学会監修:DSM-5精神疾患の分類と診断の手引き.医学書院. 2014
橋本圭司. 青木瑛佳: 神経発達症/ 発達障害のサインと判定法

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