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院長コラム 76  2022 11 11#原因不明の筋肉の痙攣と発達の遅れがあったAくんの話

[2022.11.11]

#原因不明の筋肉の痙攣と発達のくれがあったAくんの話

:プライバシー保護のために一部内容を変えているところがありますが、検査データや治療内容は実際のものであることをご了承ください。

Aくんは、現在6歳の保育園の年長さんの男の子です。

彼が、私の外来に初めてきたのはもう5年以上前の1歳ごろのことです

明らかな全身性の痙攣はありませんが、手足のピクつきが継続しており、それと離乳が進まない発語が乏しいなしの発達の遅れがあり、他院でさまざまな検査(頭部MRI検査、脳波検査、血液検査等)をされておりますが検査からは、特に異常なものは見つからないために、私の外来で生化学的検査を希望されて来院されました。

Aくんを診察したところ、痩せ気味で小さめなことと手足を時たまぴくつかせる以外にはあまり有意な所見はありませんでした。Aくんは一歳になったばかりで離乳も難しい状況でしたので、積極的な栄養療法は難しいと考えまずは手軽に行える毛髪ミネラル検査を行いました。検査結果から、基準値の12倍近いスズ(Sn)が髪の毛の中蓄積していました。(水銀や鉛、バリウムなどの蓄積はよく見られますが、このようなスズ(Sn)の蓄積は初めて経験しました。その後も自分の外来では同様のものはありません。)

手足のピク付きや発達の遅れの一因として、スズ(Sn)の蓄積が関係していると考えてました。まずは治療として、酪酸菌を使用した腸内環境整備と亜鉛を用いた間接的なキレーション療法を開始しました。治療開始し1年後には毛髪中のスズ(Sn)も減少してきており、それと同時に手足のピクつきも消えていき、離乳も進み徐々に発達していきました。

その後も、さらなる発達を促すために尿中有機酸検査行い検査結果から適宜栄養療法を加えて治療を継続していきました。毛髪ミネラル検査も定期的に行っています。毛髪検査では、毛髪中のスズ(Sn)は減少傾向でしたが、今度は大量の水銀(Hg)が毛髪中に蓄積していました。引き続き生化学的治療を継続に伴い水銀の排泄が進み、さらにAくんの発達してきており現在は保育園の年長さん生活を楽しんでいます。

Aくんは、スズ(Sn)だけでなく潜在的な水銀蓄積も彼の発達に影響を与えていたのだと考えられこのような有害重金属が体の外に出ていくことで、脳の発達が促され他のだと考えられます。また適切な療育を行うことが彼の発達に良い影響を与えていたのはいうまでもありません。今後も彼の成長を見守っていく予定です。

毛髪検査データスライド

 

 

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本の紹介動画です。

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またこのアイデスは、池田が個人的に使用しているシステム名であり、現在システムの内容も構築中であるので、勝手にこのアイデスの呼称を使わないでください。

注意事項 免責事項

様々な情報がインターネットなどで散見されます。その中には、極端な食事療法や薬剤の使用等などもあります。長男に施した、生化学的治療は、患者個人に合わせたサプリメントを始めとした調整や、生活全体に対して包括的に指導を行う必要があります。生化学的治療を行う場合は必ず専門家の指示にしたがって治療を行ってください。

現在紹介している治療内容等は、掲載時の知見に基づいているものです。今後治療内向の変更等がある場合があることをご了承ください。自己流での治療や、医療関係者以外が提供する治療を行った場合は、効果がないばかりか逆に、危険な有害事象が発生することがありますので注意が必要です。また、自分のお子さんのことなどで、疑問に思うことはかかりつけの医師にご相談ください。

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