脳の発達から見た発達障害
脳の発達は、シナプスの構築(脳の神経細胞が接続)、シナプスの刈り込み(増えすぎた神経細胞同士の接続を調節)、髄鞘化(脳の神経細胞の伝達速度の向上)というこの3つによって起こっています。
大まかな発達の順番としては、シナプスの構築→シナプスの刈り込み→軸索化という感じて発達していきますが、当然、ある程度発達した後もこれらの発達は起こっていきます。
脳も一種のコンピューターとして捉えると、シナプス形成(ネットワーク構築)、シナプス刈り込み(ネットワーク最適化)、軸索化(伝達速度高速化)いう感じて、脳内は発達していきます。
この脳内の発達が様々な理由(遺伝的影響や環境的影響)にり不具合が出たり、働きに偏りが出ることで発達障害は発生するのです。
参考文献
黒田洋一郎 発達障害の原因と発症メカニズム 河出書房新社 20214
渡邉 貴樹,上阪 直史,狩野 方伸, 生後発達期の小脳におけるシナプス刈り込みのメカニズム: 生化学 第88 巻第5 号,pp. 621‒629(2016)
Naofumi Uesaka, Retrograde Signaling from Progranulinto Sort1 Counteracts SynapseElimination in the Developing Cerebellum,Neuron97, 796–805, February 21, 2018ª2018 Elsevier Inc.